GW最終日。
泉大津市の板原町から東京に戻ってきました館長です。

さて、少し時間がありますので久しぶりの彫刻談義を♪
我が町・板原町のだんじりは、平成18年に岸和田・植山工務店さんにて新調されました。
先代は昭和七年、現在の植山工務店(大義)さんの前身、大宗こと植山宗一郎さん作事の地車で淡路彫の名人、木下舜次郎さんの傑作です。
その先代に「勝るとも劣らぬ彫物を!」ということで、当初完成予定よりも1年待ってでも…と懇願、依頼したのが木彫岸田こと岸田恭司師なのです。

平成18年の新調お披露目当日は、まさかの台風直撃で延期になったというエピソードもあります。(ちなみに振替日は、これもまさかの大雨でした)


そんな我が町のだんじり。
今回は、見送り内の「馬乗り彫刻ができるまで」と題して、当町・新調委員をされてましたMのぶさんから頂いた写真をもとにご紹介したいと思います。

真田幸村

たたき

すけずり

きざみ

彩色・仕上げ(完成)

毛利勝永

たたき

すけずり

きざみ

彩色・仕上げ

槍を持たせて完成。

薄田隼人

たたき

すけずり~きざみ

彩色(完成)


そして見送り中央の主人公…
木村重成

たたき

たたき~すけずり

きざみ

彩色・仕上げで完成。
このあと若干の手直しが施されました。。。

背中の指物を躍動感のあるものに変更、それに合わせて顔の表情も仕切り直し、彩色もやり直しで、一段と躍動感のあるものに仕上がりました。

後藤又兵衛

実は、この後藤又兵衛も…

初回の仕上げ段階では、ご覧の表情でしたが…

最終的にはご覧のように変更。(完成)
心臓部分に弾が命中(数ミリの黒檀を埋め込み)し、さらに片目を瞑り、表情を歪める様がリアルに表現されています。


一台のだんじりを彫り上げるのは、なかなかの重労働。
体力的にも、精神的にも、相当なご苦労であることは言うまでもありません。

とかく荒々しい「やりまわし」がSNSなどで話題になりますが、こうした彫師さんの仕事を思いながら、ゆっくり彫刻を眺めてみてはいかがでしょうか。一台一台、個性的で素晴らしい作品であることは言うまでもありません。

そんなことを思いながら、
東京のワンルームで、贔屓の彫師さんを今日も思う私でした。
では、また。