ちょいとだんじり談義を。
それは、私がまだ34歳のころ。
といいますと、15年ほど前なのですが、実はこんな記事を書いてました。
古い常連さんなら覚えておられるかなぁ…。
私の親戚で、泉南郡熊取町の野田区に住むFさんを通じて、念願のその銘だんじりを拝見させていただいたときのことです。
それはそれは、素晴らしい細工のだんじりで、「明治期にようこんな彫刻がでけたぁなぁ」と感心しまくりで、ちょっと一息。ということで会館にお邪魔したんですよ。
そこに飾られてたのがこの写真。
もうびっくり!!かっこええ!!
言葉を失いましたね。。
「岸和田型の白眉」と称されるこの野田区のだんじりは、もとは岸和田市堺町で新調されたもの。それを牛に曳かせて熊取まで持ってきたという逸話は有名ですが、写真をよく見ると、随所に興味深い箇所が確認できました。
その屋根回り。
大きく張り出した「隅出す」は欠損しているようですが、ものすごい細やかな細工であるということはすぐにわかります。
桝合側の横槌も同様、ボリューム感と繊細さが並大抵やないですね。
今では珍しい左右非対称の懸魚も実にいい。
破風の隅には、それまでは金具が付けられていたのかな…など想像が膨らみます。
そして!鬼板!
3本の鳥襖は後付けのようですが、特筆すべきは鬼板に彫られた家紋。
そう、木瓜(紋)なのです。
つまり、岸和田で活躍していた堺町の当時のもの。
どっしりとしたカタチに雲の細工も深みがあっていい。
梃子掛け。ホゾ。
材木の色目からして、おそらく後付けなのだろうと、推測できる梃子掛け。
その真ん中あたりには、ホゾが見えます。これは今では全く見ることができません。
もともと水板の省かれた古い造りで松良受けがなく、台木から直接、縁板が乗っているのですが、脇障子受けらしき角材は確認できりるので、真ん中のホゾと上下で「二重脇障子受け」のよう。
このだんじりも、現在大修理中ということで、また一層美しくなって拝見できるのがとても楽しみです。
こんなに古くて貴重なだんじりの松良もまだ現役であったり、独特の大工仕事であったり、隠れた小さな細工であったり、もう魅力たっぷりの地車。
あぁ、また拝見したくなってきた。
野田区のFさんを、久しぶりに尋ねてみようかな。。。
では、これにて。