
お待たせしました!
貝塚・森町新調地車、入魂式お披露目曳行の後編です。
森神社にて清祓を済ませた真新しい地車は、勢いよく町内および周辺地区へお披露目曳行に出発。
まずはその最初の記念すべきやりまわし一発目の様子からどうぞ。



すでに多くの人だかり(汗)。
密着取材の重責を担う私は、にょきにょき出てくるスマホの後方から「これではええ写真は撮れんなぁ」と半ばあきらめかけていました。
が!しかし!
森町関係者の方数名がお声をかけてくださり「館長さん!こっち入り~!」と神の声。
おかげさまでナイスポジションで待つことができました(感謝)!








安定感のあるやりまわし。
三手先七段・切妻型特有の落ち着いた風格を感じながら、悠々と誇らしげに駆け抜けて行きました。



朝日に映える新調地車。

吹きちりとシンプルな宮入用幟、大工方の法被との共通した意匠が美しい。

少し先回りして…
三ツ松町へ向かい、スタンバイ。
広場には三ツ松町のだんじりが据えられ、森町の到着を待ちます。


しばらくして新調地車が到着。

主屋根には横井工務店の横井棟梁、後屋根中央には彫陽の山本師。
森町関係者さんの人柄が感じられる粋な計らい。こういうのが良いんですよ。

切妻だんじり同士の初顔合わせ。




陽ちゃん、カメラ目線ありがとう。
けど、ちょっと緊張してるんちゃうか~!?

三ツ松町を出発です。




後旗三本が交換されています。
町名幟は濃紺に「森」の文字。御祭禮幟は丸文字で「森」と「御祭禮」こちらもシンプルでいいですね。

三ツ松町から地車を追いかけるには、やや体力不足(汗)…
木積・馬場方面まで向かうとのことでしたが、私はここで待つことに。
水間観音へかかる赤い橋とだんじりを狙います。



大勢の人が待つこの場所に、折り返して山を下りてきただんじりが到着。








せっかくなので水間町のやりまわしも拝見!




水間をあとにして…
森へ帰りたいのですが、だんじりの姿かたちは何も見えず…


で、この経路を利用します!
泉州が誇る超ローカル線「水間鉄道」!!
二両編成の単線ながらICOCAが使えて便利。らくちんで名越まで。

スタンバイする名越のだんじり前にて。
この名越のだんじりは、彫陽・山本陽介師の兄弟子、片山師が彫刻責任者で作事された代表作。
この地区で、山本・片山 両師の作が見られるのも嬉しい。


和泉山脈をバックに新調だんじりが美しい。




こちらも互いに切妻型。
初顔合わせの瞬間です。








出発です。



拍手でお見送り。

吊り下げ町名幟の裏面、橙色に森神社の御紋が披露されてました。


町内を東西に延びる「旧道」をだんじりが帰ってまいりました。
このあたりは、狭い道の連続で舵取りには気を遣うところ。
見る側としては、ゆっくり雰囲気を味わえて好きなエリアです。


彫陽の陽ちゃんとお弟子さんの中村くん。
屋根から降りて緊張から解放されたのか、ここでピースサインを頂きます♪


軒先ギリギリをゆっくり進みます。
前梃子さんは気を抜けないですね。









水間鉄道・名越4号踏切と森町のだんじり。
線路幅1,067mmが狭く感じられます。

細い路地から広いバス通りへ。






旧・ユニオンを直進し、だんじりは清児町方面へ。

清児町のだんじりと顔合わせした後、再び東向きで戻ってきます。
ユニオン右折を拝見…と思いましたが…
あいかわらず最前列から徐々に、にょきにょにと何重にも出てくるスマホ、スマホ、スマホ…。

中には両手で撮ってる人も…。

後方からだとこれが限界(汗)。
こんな写真しか撮れませんでした。

今度は山方向からの左折。

おっちゃんたちの背中で撮ることにします。






望遠には強いのですが、やりまわしは…なかなかうまく撮れませんね。。



森神社前で休憩中のだんじり。
彫刻の図柄票をいただきました♪
ここで再びだんじり見物。


主屋根正面枡合:稲荷神話
彫陽の真骨頂が随所に感じられる作。流石です。

主屋根正面懸魚:波雲に千鳥、奥に富士山と御来光
筒井さん時代の経験をフルに活かした彫陽自慢の細工。

四隅の隅出すには「四神獣」。

木鼻。
数年間までの新調だんじりには海外産の木鼻が見られたりしましたが、ここ最近の新調だんじりは彫刻責任者が請け負うことが多いようです。
この木鼻も、もちろん陽介師渾身の作。ええ顔してます。


平の枡合いを真下から。
芯板・前板・附木・枡合い下がりと、幾重にも重なる細工。
大工と彫師のセンス、良好な関係性が垣間見えます。

正面車板と小屋虹梁は一体型で、お馴染み「天乃巌戸」。
こちらも陽介師の得意とする図柄。


勾欄合には…大工さんと彫師さんとが、お猿さんで表現されています。

幼児曳行へと出発。
ブレーキ責任者のKさんと、大工棟梁の横井さん。







ここで私もだんじりを見送り、帰路につくことに。




記念式典も盛大に盛り上がったようですね。
そのころ私は、東京行きの新幹線の中でした…。
横井工務店・彫陽の両師W出世だんじりという非常にお目出たい地車、森町。
末永く町の宝としてご活躍されることを切に願います。
次は、だんじり本体編の記事ですが…
記念誌撮影時にたっぷりとカメラに収めてご紹介したいと思います。
では、また!