
今から10年まえ(2015年3月)のだんじりレポです!
先週の日曜日。。
熊取は小谷の新調だんじりを網ナシという好条件のもとで、拝見させていただきました♪
名工、岸和田・植山工務店さんが見事に組上げた先代から踏襲の切妻屋根。
彫物は木彫岸田の岸田恭司師を筆頭に、同一門の木彫片山・木彫高濱という豪華メンバーが作事。
まだ記憶に新しい新調入魂式、それに、なつかしの先代昇魂式の様子はこちら。。。
●新調入魂式
小谷地車新調入魂式お披露目曳行(熊取町) | 板原村のだんじり会館
●先代地車昇魂式
小谷地車昇魂式 (熊取) | 板原村のだんじり会館
▲まずは前後の姿見です。
三手先の均整のとれた美しい姿見、さすがは植山さんですね。
▲続いて平方向から。
いいですね~☆
▲主屋根前後の懸魚です。
正面:波に千鳥(旭日に羊雲)
後面:開雲(夕日)
▲小谷 意匠あれこれ
▲主屋根桝合い四方
正面:桓武天皇 熊取野遊猟
右平:大阪冬の陣 槍槢の鎧 幸村、家康を追う
左平:太平記 本間孫四朗の遠矢
後面:辻の井 小谷縁起
▲右平「大阪冬の陣 槍槢の鎧」をアップで♪
左側が逃げる家康、右側が追う真田幸村。
あの名作岸和田・五軒屋町土呂幕と同じ図柄です。(片山師の作)
▲平の彫刻は、桝合い+腰周りが、片山師・高濱師それぞれが統一で彫られてます。
そんなこともあり、主屋根平の桝合い下がりの“鶴”の細工にも、両師の作風の違いが見られます。
▲主屋根木鼻あれこれ。
▲主屋根「隅出す」は四獣神。
青龍・玄武・朱雀・白虎
▲さて、いよいよ腰周りです。
主正面は「根来戦記」の統一彫りです。

▲「千石堀城の戦い 大谷左大仁の奮戦」地元泉州ものですね。
▲続いて右の平です。こちらは「難波戦記」で統一です。
▲木村重成初陣 単騎部下を救う(片山師・作)
▲続いて左の平です。こちらは「太平記」で統一です。
▲湊川の戦い 楠木正成、馬上の勇姿(高濱師・作)
▲続いて松良です。
まずは向かって右「本能寺乃変」
森蘭丸の躍動感、弓を持つ信長の迫力に注目したいです。
▲同じく松良、向かって左は「桶狭間乃戦い」です。
今川義元の組討ち、最高ですね。。
▲後屋根に移りまして・・・
最近の桁隠しは「千鳥+波」というものがよく見られます。
幟台には「原木を担ぐ力神」です。
▲後屋根桝合い三方です。(左右は地車後方より向って)
正面:堀川の夜討ち
右平:勧進帳
左平:舟弁慶
▲後屋根車板の上、屋根の裏面には双龍の細工。
橋本市東家の古参地車にも見られる手の込んだ豪華な細工ですね。
▲後屋根の垂木は「片扇総開き」の細工。
写真では解りづらいですが、前寄り1本目の垂木は90度ではなく、すでに少しだけ開いています。
▲いよいよ見送りです。
見送り下の連子(後方より向かって左)は、「一の谷(敦盛呼び戻す熊谷次郎直実)」なんですが
この鳥の細工は特に目を惹きました。。。
▲さて、見送り「奥州衣川の戦い」です。
中央奥に武蔵坊弁慶が、まさに仁王立ちのシーン。
・・・主君義経を守らんと奮戦するも全身に矢を受け、それでも最期まで倒れなかったという場面。
▲ため息モノです。。。
▲衣川の舘も精巧そのもの。
▲竹の節は、古風な「立若葉」なのですが、よく見ると・・・
蛙とヤモリ(守宮)の細工。
さらにその台の部分には・・・小槌かな。
◆小谷地車紹介◆
●大工 植山工務店。
●彫物 木彫岸田・木彫片山・木彫高濱
●主な彫刻
主屋根桝合い
正面:桓武天皇 熊取野遊猟
平安時代初期に編纂された「日本後記」において
桓武天皇が延暦23年(804年)「熊取野」で
遊猟されたことが記されています。
右平:大阪冬の陣 槍槢の鎧 幸村、家康を追う
左平:太平記 本間孫四朗の遠矢
後面:辻の井 小谷縁起
腰周り:三方それぞれで統一彫り
主正面 根来戦記
主右面 難波戦記
主左面 太平記
後全面 源平盛衰記
土呂幕正面(根来戦記)千石堀城の戦い 大谷左大仁の奮戦
土呂幕平右(難波戦記)木村重成初陣 単騎部下を救う
土呂幕平左(太平記)湊川の戦い 楠木正成、馬上の勇姿
松良(右)本能寺
松良(左)桶狭間
後屋根桝合い(左右は地車後方より向って)
正面:堀川の夜討ち
右平:勧進帳
左平:舟弁慶
見送り:奥州衣川の戦い(中央奥に武蔵坊弁慶)
町名持:菅原道真公

小谷のみなさま
その節は貴重な機会にお邪魔させていただきまして、感謝、感謝です。。
あっさりとした姿見の中に、こだわりの細工の数々。。。
素晴らしい彫刻に時間を忘れ、見入ってしまうほどでした。
「名作」と評される名高い地車が集う熊取にあって、勝るとも劣らぬ銘だんじり「小谷」。
これからも末永くご活躍されますことを祈念いたします。

