井波彫刻といえば、日本を代表する木彫刻のブランド。
中でも井波彫刻協同組合の理事を務める澤 香斧(こうふ)師こと、澤 義博師は我が町・泉大津市板原町地車(平成18年新調)にご尽力いただいた方でもあります。
では少しご紹介しましょう。
たとえば、この主屋根天蓋(てんがい)は絢爛豪華な「百花繚乱」と、虹梁は手間のかかる吹き出しの細工。
いずれも澤師の作品で、まさに芸術作品そのもの。
四季折々の花々が12種類。
丁寧な細工で天井に組まれている板原町地車の隠れた銘細工。
水板。しゃがみこんで見つけた方は驚かれるはず。
あの「伊八」を思わせる波の意匠は、奥行と立体感と迫力が凄いです。
主屋根枡合い(二重枡合い・上段)は、左右で龍と飛龍。
まさに澤さんの得意とするところ。
後屋根の隅木受けは「シンを吐く龍」。
この板原町地車以降、新調だんじりに採用され始めた先駆けとなった細工。
見送り天蓋は「円相に龍」。
この木造りは貼り合わせなしの1枚もので細工された絶品。
大脇上の竹の節は「親子獅子」。
曳行中、咄嗟に手をかけるとケガをしそうなくらい繊細な細工が自慢。
こちらは、見送り下の水板。
蝶と戯れて遊ぶ獅子。これまた随所に井波彫刻の技が光る逸品。
やっぱり澤さんといえば、この木鼻でしょうか。
だんじりを見据えたとき、キュッと引き締めてくれる効果のある木鼻は存在感バツグン。
あの「越後のミケランジェロ」と称された石川雲蝶風に、という板原町からの要望を快く引き受けていただき完成させた傑作。
そんな澤さんの仕事場は、井波の街のメインストリートでもあります瑞泉寺から真っ直ぐ伸びる参道沿いにあります。
平成18年の自町だんじりの新調以前から、もう何度も訪れ、親しくしていただいている澤さん。
毎回、こうして気さくに接していただいてるのですが、澤さんは今や井波彫刻を代表する人物。
日本を代表する寺社建築の修復や彫替えなど数多く手がけられておられます。
誰もが知ってるあの神社の懸魚や、あの絢爛豪華な門の木鼻、あのお寺の巨大扁額など…、もはや雲の上の存在で、そんな澤さんの手が入っている板原町地車は、だんじり界でも希少で自慢のひとつでもあります。
前回の訪問時は「能面」を、
その前には「椿」の作品をいただき、私のアトリエに永久保存しています。
そんな澤さんに、このGWを利用して会いに行く予定。
全国各地で見られる澤さんの作品も行脚したいものです。