10月22日(日)
昨日21日(土)は自町・板原町若頭会の落索に出席のため、帰阪してました。
顧問という立場で、若頭のメンバーと楽しい宴会、今年もいい祭りができたことに感謝です。

そしてもう一つの楽しみがこちら。
以前から予約をお願いしていた栂地車の修理完成記念誌をGET。
このだんじりは、岸和田市中井町時代から何度か拝見してきた1台で、個人的には大好きな「同系列」のだんじり。

つまり岸和田のだんじり名門大工・大宗(植山宗一郎さん:植山地車製作所)作事の、昭和初期のタイプで、数々のだんじりを拝見してきた私ですが、やっぱりこのグループが一番の好みなのかなと再認識。

で、最近はもっぱら豪華絢爛な新調だんじりよりも、個人的には、こうした昭和初期の頃に誕生した古いだんじりの修理完成記念誌ばかりGETしている傾向。。。

この4冊は
昭和7年:泉大津市板原町先代(現・堺市菱木奥)
昭和7年:泉大津市豊中町先代
昭和8年:岸和田市中井町先代(現・堺市栂)※今回購入の一冊。
昭和10年:岸和田市岡山町大西小路

という年代に作事されたもの。
若干の寸法違いはあれど、よく似た箇所が満載で、当時の大宗さんの基本形であったことがわかります。

およそ90年ほど前に、仕入れだんじりとして軒先に並んでいたという板原町、豊中町。
さらにその翌年には、注文だんじりとして購入された中井町、さらにその2年先の大西小路。
中井町の完全完成が昭和9年(本誌に記載)となると、当時の植山さんの仕事場は、非常に活気でついていたことが想像できます。

古い人から「山だんじり」という言葉も聞きますが、岸和田の旧市地区で曳行されていた全長の長いだんじりに対し、このタイプはスリムでホイルベースも抑え気味。村中の狭い路地を曳行しやすくする配慮からの設計でなんですね。
共通の部材も確認でき、これがまた趣があっていいものです。

特筆すべきは「後屋根まわり」。
組物の配列は、すべて同じ(三手先六段)で、竹の節はいずれも「親子唐獅子」。
虹梁と台輪は直線タイプで、木鼻も類似した花の籠彫り。
隅木受け~隅出す~物見~竹の節の流れも、まさしく「同系」であることが見て取れます。

ほかにも、水板に力を入れていたり、犬勾欄が昭和7年の2台は波頭であるのに対し、後発の2台はより手の込んだアカンサス(?)仕様にバージョンアップされてます。

じっくり拝見してると、他にも新しい発見がまだまだあります。
ここではまた後日、書いてみようと思います。

今回、お声をかけてくださいました栂のYさん
大変お世話になり、ありがとうございました。

秋の夜長に、これからしばらく楽しみが増えました♪