お盆休みに突入。
というと、もうすぐ岸和田祭です。
お盆企画としまして、過去に書いた「だんじり談義」の記事から、アクセス数の多かったものをひとつプレイバックさせて、ご紹介したいと思います。
当ブログでは、過去に何度も記事にしていますが・・・
以前、上町地車を網なしで拝見させていただいた際に撮影した写真を基に、開さんの傑作を見本とした舜さんの川中島と題して、見て行こうと思います。
昭和4年作、大宗&淡路・開さん作事の銘地車「上町」。
昭和7年作、大宗&若き舜次郎が責任者として作事の「板原町先代」。
昭和7年。
板原町先代は、当時の「仕入れ地車」として大宗さんの軒先に2台(一説には3台?)展示されていたうちの一台と聞きます。
その3年前の、昭和4年に誕生した上町地車の土呂幕三方の図柄がそっくりであることに、興味を持っていろいろ調べだしたのが、幼少時代の私。
なので、このだんじり談議ネタは、私のだんじりLIFEの原点でもあります。
今から90年近くも前の時代。
当時のことをご存知な方も身近に居られず、いろんな書物では「舜さん」作とされている板原町先代。片や当時、一流の彫刻師として名を馳せていたであろう淡路の名工・開さん親子。ここでは「開さん作と舜さん作」ということで、交互に見てみます。
確固たる地位を確立していたと思われる開さんと、ハングリー精神の若手彫刻師・舜さん。お二人の思いやロマンを、想像しながら眺めて頂ければと思います。
土呂幕三方のうち、正面の「川中島」にクローズアップです。
では、どうぞ!!
▲上町
▲板原町先代
▲上町の信玄
▲板原町先代の信玄
▲板原町先代
着物の質感に信玄の表情。舜さんの熱意が伝わって来そう。
▲上町の謙信
▲板原町先代の謙信
▲上町:やや上半身を捻ってますね。
▲板原先代(菱木奥):ほぼ正面向きです。
▲上町:馬の顔はやや横を向きます。
▲板原町先代:こちらはまっすぐ前方を。
▲板原町先代
仕上げにも手が込んでいるのが判ります。
▲上町の雑兵。
▲丸く滑稽な表情は、さすがですね。
▲こちらは板原町先代。
ずこ~っ!ってこけてしまってます。
▲この表情。悲壮感さえ漂います。
▲上町(馬に踏まれる雑兵)
▲表情豊かで、しかも躍動感を感じます。
▲こちらは板原町先代。
謙信の馬に踏まれる雑兵は、同じなのですが・・・。
▲これはびっくり!!
股間を踏まれています!!まさに悶絶!!
これこそ、舜さんの名アドリブ、隠れた名作です!
▲あ、痛そう(汗)。。
▲板原町先代:前板のせり上がり具合がいいです。
材木の厚み以上に奥行き感を表現されています。
▲板原町先代:この木の質感・・・手間がかかってます。
いかがでしたか~。
上町地車は9月の試験曳きに見ることが出来ますし、板原町先代地車は、現在、堺市菱木奥の地で活躍中。岸和田の藤本工務店さんでの大修理を経て美しい姿を保っております。
時間を忘れ、思わず見入ってしまう土呂幕彫刻。
これがだんじり好きの私の原点です。
では、これにて。