もうすぐ岸和田・中町のだんじりの修理完成でお披露目がされます。
装飾品も一新されたとか。
中町といえば、〝淡路彫り〟の傑作として名高い銘だんじりのひとつ。
久しぶりにじっくり拝見…と行きたいのですが、私は生憎、帰省しない週で、みなさんのSNSでの投稿を拝見するしかございません。

とは言いつつも、中町のだんじりを過去に密着レポしてあり、そのときの記事を引っ張り出してきました。

2008年に書いた記事、実に15年も前のことです。
月日が経つのは早いですね。。。(汗)

というわけで、リバイバル中町レポをご覧いただきましょう。
やっぱり「ええだんじり」は実にええもんです。

ではどうぞ!!

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6月15日(日)。
特に泉州では「だんじり」行事もないし、ゆっくりしよかなぁ~・・・っと思っていた午前10時。
岸和田の瓢箪族の兄貴から突然電話が(汗)。

・・・中町出してるし、絶好のチャンスやで~♪

おぉ~~~!!
デジカメの充電してませんけど、30分だけ仕込んでから行きますわっ!!

そんな感じで、ドタバタ押しかけた岸和田中町。。

大正時代製作、田端辰次郎の美しい大工仕事、淡路の名匠、開親子の彫刻。。。
それでは長編レポ、ご覧ください。

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▲まずは、前後の姿見から。田端辰次郎の最高作とも言える入母屋細工が美しいです。

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▲続いて平。バランスのいい姿見です。

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▲去年、葺地が入れ替えられてました。
キレイな木目です。今年も無傷で収められますように。。。

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▲中町といえば、芯から縦に通った尾垂木の組物に菱形扇垂木。美しいです♪

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▲中町の意匠です。番持ちの小槌の上部にかわいい「ねずみ」を発見!

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▲では、主屋根の枡合い。
 正面「牛若弁慶五条大橋の出会い」
 平右「新田義貞、稲村ヶ崎」、上段「頼朝朽木隠れ」
 平左「村上義光錦の御旗奪還」、上段「為朝の豪弓」
 後面の「陣幕から戦況を見る雑兵」もいい味です。

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▲これまた中町の専売特許。カラカラと動く玉をくわえる獅子。これは近年の新調地車などでも取り入れられてます。

土呂幕です。
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▲まずは正面から。 
 「源義家、奥州衣川において貞任を追う」の場面。

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▲続いて平右。ご存知「粟津合戦、巴御前の勇戦」です。
 開さんの巴御前は、ほんまに癒されます。。

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▲それから左「石橋山合戦」。“頼朝 朽木隠之図”とありました。
 ちゃんと奥板に隠れておられました(笑)。

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▲橘紋と木瓜紋。
 新調当時のモノでしょうか。。古風な感じですね。

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▲後屋根の枡合いも素晴らしいんです♪
 正面「楠公、櫻井の別れの駅」
 平右「安宅の関、弁慶義経懲打」
 平左「布引の滝、小桜責め」

見送り「賤ヶ岳の合戦」です。
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▲開さんと田端さんの銘がマブシイ~~~♪

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▲独特の開さんワールドが展開されてます。
 やっぱり中央の佐久間さんの勇姿が際立ってますね。。

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▲馬に踏まれてる雑兵さん・・・苦しそう。。(汗)

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▲大脇もスゴイでしょ!

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▲開さんは天才です。。。

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▲摺り出しは、癒し系の作品でした。

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▲ここ!これこそ開さん♪
 淡路の太鼓台なのでもよく見られますが、開さんの「波に千鳥」は最高ですね。
 見送り下の水板ですが、素晴らしいノミの跡ですね。。
 奥行きこそありませんが、私の中では、かなりポイントの高い彫刻です。。

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▲これは珍しい♪
 後屋根の前方の組み物です。
 外側を向いてます!!
 コレは発見♪

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▲この表情。。 
 開さんの彫刻の醍醐味です。
 雑兵たちとはいえ、ため息が出ますね。。。

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▲鬼板。
 主屋根は木瓜紋、後屋根は橘紋。。えぇなぁ~。

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▲この枡合い部分に御祈祷のお札を配するのも中町の特徴。
 今年も安全曳行を・・・。


 
◆◇中町地車紹介◇◆
  ●製作:大正11年
     大工:“大弥三(だいやさ)”こと田端辰次郎
     彫師:開正藤、生珉(親子)
     
  ●主な彫刻
     主屋根枡合
     正面「牛若弁慶五条大橋の出会い」
     平右「新田義貞、稲村ヶ崎」、上段「頼朝朽木隠れ」
     平左「村上義光錦の御旗奪還」、上段「為朝の豪弓」
     後面「陣幕から戦況を見る雑兵」

     後屋根廻枡合
     正面「楠公、櫻井の別れの駅」
     平右「安宅の関、弁慶義経懲打」
     平左「布引の滝、小桜責め」

     腰廻り
     番号持:「打出の小槌を担ぐ大黒天」。
     松 良:右「後醍醐天皇隠岐より帰る」、左「神功皇后応神天皇平産」
     土呂幕:正面「源義家、奥州衣川において貞任を追う」
         平右「粟津合戦、巴御前の勇戦」
         平左「石橋山合戦」

     見送り「賤ヶ岳の合戦」

おまけ。。。

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急なお誘いで少し焦りましたが、寄せていただいて良かったです。
最高の細工に、最高の彫刻、堪能させて頂きました♪

瓢箪族のヒゲ兄ぃ、マニアック「M」のチビヒゲくん、そして中町のKさんはじめ関係者のみなさん。
今日はありがとうございました。

今や貴重となってきた大正時代の名地車、いつまでも大切に曳いていてくださいね。。