6月3日(土)
泉大津のわが家から富田林へ車を走らせること1時間。
だんじり彫刻、彫陽HORIYOこと山本陽介師の仕事場を訪れた。

現在、貝塚市森町の新調地車の彫刻責任者として活躍中、孤軍奮闘の日々だ。

再会の挨拶もそこそこに、黙々と玄翁を振り続ける陽介師。
これが彼の流儀というかスタイル。陽介らしいな。

作業場いっぱいに積まれた良質のケヤキ材と、叩き仕事を終え仕上げの工程を待つ〝作品〟で足の踏み場が限られる。

叩きを終えた破風(懸魚)、松良、松良受けと、これから作業に入るであろう脇障子や連子が目に入った。

作業行程も計画通りと話す陽介師。
今日は枡合の前板部分を叩いてた。
私の眼には、それを上回るペースで進んでいるかのように映る。
納期に追われない、これこそ良い作品を世に送りだすポイントでもある。


時折、お互いの近況を話す程度の会話。
それ以外はひたすら玄翁を、振る。


彼の作品の中で「縦モノ」と呼ばれる松良(左右2丁)を初めて見た。
まだ仕上げの作業に差し掛かっていないものの、彼らしい作風を垣間見た。
「ええなぁ」と思わず独り言が出る。

これまで独創会など彼の実演や個展で拝見してきた作品たちだが、そのまま巨大な「縦モノ」という材木で魂が宿りだした、そんな気がする。


2019年11月4日大安吉日に森町にて開催された巨大な原木。
厳しい風雪に耐えたであろう石川県産、樹齢250~300年の巨木だ。

その様子はこちら

貝塚 森町新調地車 原木祭 | 板原村のだんじり会館 (ameblo.jp)

大工:横井工務店
彫刻:彫陽 山本陽介

完成お披露目が待ちどおしい。
…そのときは独占取材で東京から帰ってくるからなぁ、陽ちゃん。

とか言いながら、お決まりのポーズで。
体に気を付けて頑張って!

彫陽らしい、すばらしい地車が完成しそうだ。
森町のみなさんの笑顔が目に浮かんでくるようで、穏やかな気持ちになった。

俺も負けんと東京で頑張るから。