Facebook・Instagramが何者かに乗っ取られ、この週末は凹んでいます。
が!しかし!!
新しい企画でブログを書いて、元気を出そう!!
と自分に言い聞かせ、プレイバック企画をすることにしました。

今からちょうど10年前の11月。
この月唯一のだんじりレポを書いてました。
それは…
生野区 西足代!!
そうあの〝淡路彫り〟として名高い、舜さんの手がけただんじりなのです。
実に10年前、私もマメにレポしてたようで、我ながら感心してます。

というわけで、リバイバル西足代レポをご覧いただきましょう。
やっぱり「ええだんじり」は実にええもんです。

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上だんじりファン・舜さんファンのみなさま、お待たせしました☆
先日の“生野まつり”で拝見しました、我らが舜さん作の彫刻が目を惹く「西足代」の地車をご紹介します。

個人的に生野近辺は仕事でよく周る地区。
生野のだんじりも何台かは拝見させていただいてるのですが、この地車はなかなか拝見する機会がなく、今回、念願かなってついにカメラに収めることができました♪

製作は戦後しばらくしての昭和28年。
舜さんといえば貝塚東のだんじりが昭和26年に新調。
その翌年・昭和27年に完全完成しているのが中之濱

そして翌年、この上地車を生野区北巽が新調。
(のちに昭和46年、西足代へと嫁いできます。)

大工は猪飼野の“大重”こと伊川重松さん。
彫師は淡路の巨匠“舜さん”こと木下舜次郎師と、
金光秀堂師(兄)・南陽師(弟)のご兄弟で作事されました。

舜さんの上だんじりといえば、昭和30年に登場する西淀川区の野里中(中神車)に代表されるような、強烈なボリューム感のある獅噛が特徴ではないでしょうか。。
この西足代の彫刻が、のちの中神車へと繋がっていくことを想像して拝見していくと、興味も倍増で楽しませていただきました。。。

では、早速ご覧頂きましょう♪
どうぞ!!

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▲まずは前後の姿見からです。
 近年組物が足され大型化改修がなされています。新調時の姿見とは違うようです。

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▲続いて平方向から。
 改修を経て、いわゆる「折衷型」と呼ばれるタイプになっています。

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▲主屋根正面をやや下から。
 どうですか、このボリューム感。
 勢いのあるノミの跡。圧巻です。

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▲お髭がくるくる・・・これこそ舜さんの代名詞♪
 拝懸魚は「朱雀」で、隣懸魚は「飛龍」ですね。
 車板の龍はご覧のとおり非の付け所なしの秀作!!

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▲後屋根正面の様子です。
 こちらの獅噛もゴツイ!!舜さんのそれは、まるで熊のような迫力。。。
 破風型は軒唐破風ですが、おそらく新調時は切妻であったと想像します。

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▲拝懸魚は「鷲に猿」。
 隣懸魚は「麒麟」。

 猿の作風がたまりませんね~!!

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▲真下から見てみると・・・びっくり!!(驚)。
 ゴッツイ龍の親子が顔を見せました☆

 こりゃ、子どもが泣いてしまいそうなほどの迫力。

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▲主屋根平の桝合いです。
 先にも書きましたが、大改修時に組み足された部分かと思います。
 
 太平記より「児島高徳桜木の歌を詠む」と、「楠公父子決別の場 桜井の駅」です。

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▲再び古い彫物の部分。
 個人的に興味を惹いた木鼻部分。
 獅子に獏、力士も居ました☆

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▲後屋根も桝合い部分、こちらも改修時のものです。
 「錣引き(手に持つのは錣かな?)」と、「頼朝の朽木隠れ」です。

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▲続いて泥幕正面です。
 武者が一対ですが、こちらは舜さんとは手が違うような・・・。

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▲同じく後面です。

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▲平の泥幕には勾欄が付いているので彫物の全貌は見れません(涙)。。。
 そのわずかな隙間から♪

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▲さぁ、いよいよ見送り周りです♪
 これがまた、ええんですよ~☆

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▲まずは正面「鎮西八郎為朝大鷲退治」です。
 八郎もさることながら、大鷲がイカツイ!!

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▲隅障子(向かって右)は桐の御紋で太閤様かな。。

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▲同じく隅障子(向って左)は、棍棒を振り上げてるので佐久間玄蕃かな?
 左右いずれもガラス目入りでした。
 馬の作風からして、舜さん作のようですね。


 

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▲続いて後方より向かって左です。
 こちらはお馴染み「加藤清正の虎退治」ですね。
 同じ図柄が、数年後に作事される野里の“中神車”に見られます。
 大きく影響を及ぼしたことは間違いなさそうですね。

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▲もういっちょ!!
 このド迫力!!!

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▲そして右側は・・・
 「源三位頼政 鵺(ぬえ)退治」です。


 

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▲こちらは、まるで神懸かったかのような緊張感ただよう作風。
 鵺(ぬえ)の描写も素晴らしいのですが、頼政の足の指先にセンスを感じました。

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▲隅障子には千成瓢箪の纏を掲げる雑兵。
 これも舜さんかな~?いずれにしても最高~!!

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▲ええでしょ。。

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▲脇障子です。
 後方より向かって左「後醍醐天皇隠岐より帰る」
 後方より向かって右「神功皇后応神天皇平産す」

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▲やっぱり締めくくりは、この熊みたいな獅噛!
 舜さんならではのこのボリューム、迫力。
 ここはあえて「鬼熊」と呼びたいところです。。

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▲少しだけ巡行シーンを。
 この法被は、岸和田生まれのあの「コシノアヤコ(小篠綾子さん)」デザインによるものだとか。

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▲大阪でよく見られる前梃子。
 先にはゴムタイヤが付いてまして・・・こりゃよう効くでなぁ。。(汗)

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▲平方向へ出る3本の木鼻。
 なかなかいい雰囲気でしょ♪

イメージ 30西足代のみなさん

その節は「生野まつり」で賑わってる中、拝見させていただきましてありがとうございました。
舜さんファンの私として念願かなって喜んでおります。

どうぞ末永くいつまでもご活躍されますことをお祈り申し上げます。
ありがとうございました。

今夜はこれにて。。