イメージ 1

みなさん、こんばんは。
さて、今回は“桁鼻”についてあれこれ見てみましょうか。

地車を見るとき・・・
一般的には、まず最初に破風を見て、枡合いや組物などの屋根周り、そして腰周り~見送りなどへ目が移っていきます。
こんな感じですかね。。

そこで見落としがちなのが、今回ご紹介します「桁鼻」なんです。
「桁鼻」とは(下地車で言いますと)破風を支える“菖蒲桁”の内側にあります。

この桁鼻は、屋根周りの名脇役とも言える気がします。
この部分は、地車によっても形態が様々で、年代によっても作風がいろいろあって見ごたえがあります。中には、古い地車などで桁鼻が付いていないものも。

では、過去に撮った写真の中から一部をご覧頂きましょう♪
(順不同です。)

イメージ 2
泉大津市豊中町(先代)
昭和初期の仕入れ地車によく見られる「獏(ばく)」。
屋根全体を新品に変えても「桁鼻」だけは古いものをそのまま使う場合が多そうです。写真では桁鼻の色が新調当時の歴史を感じさせます。

泉大津市板原町(先代:現板原町公民館にて保管)
上記・豊中町先代と同時期(昭和7年)に作成された瓜二つの桁鼻。

イメージ 3
岸和田市今木町
籠彫り仕様です。雲の中に鳥が確認できます。

イメージ 4
岸和田市並松町
屋根全体は平成の大修理で一新されてますが、この籠彫りの桁鼻は新調当時のものかと。地車に相応して厚みのある寸法が特徴。

イメージ 5
忠岡町道之町(先代)
並松町と同様、厚みのある籠彫りの桁鼻。雰囲気あります。
カタチは先に書きました並松町のそれとそっくり。
左ヱ門こと櫻井義國さんの作り出す桁鼻は、これが標準だったのかも。

イメージ 6
岸和田市五軒屋町
牡丹でしょうか。花の籠彫りのデザインです。

イメージ 7
高石市高磯
こちらも雰囲気あります。小屋虹梁の雲柄から続くデザインです。

イメージ 8
岸和田市大北町(先代)
段を付けたラインが特徴。
一瞬、獏?いや獅子?と思うシルエットです。

イメージ 9
貝塚市名越(先代・後屋根)
破風の裏面ギリギリのところまで迫ってる長い桁鼻。

イメージ 11
熊取町野田区
この地車はまさに横綱級。大修理完成のお披露目が待ちどおしいです。
こんな小さな部分に「猿掴む鷲」が彫られてます!
これは必見!!

イメージ 12
東大阪市角田
圧倒的に古いこちらの地車。
その桁鼻は、松良受けによく見られる「コブシ」仕様。

イメージ 13
岸和田だんじり会館保管の旧五軒屋町
こちらもコブシの桁鼻。
この時代の地車は「コブシ」タイプが主流だったのかも。。

イメージ 14
貝塚市半田町
オーソドックスながら手の込んだ獏。
あっさりとした小屋虹梁との相性もいい♪

イメージ 15
泉大津市板原町
半田町同様「獏」。
ただしこちらは井波彫刻伝統工芸師の澤義博さんの作。渋いです。

イメージ 16
岸和田市下野町
ご存じ豪華絢爛の代表格といえばこの地車。
その桁鼻には、正面「飛龍」。ちなみに背面は「犀(さい)」。

イメージ 17
貝塚市橋本町(主屋根背面)
正面は「獏」ですが、写真の背面には「麒麟(きりん)」。
下野町同様、主屋根の前後で異なるのは、これからの次代の流行に?

泉大津市豊中町
この左右一対だけを見てピンとくる方も多いはず。
はい、車板と一体型で「天之巌戸」を形成。つまりパノラマ仕様ですね。

イメージ 18
堺市大鳥(先代)
菖蒲桁と同一のタイプ。これはこれで趣ありますね。

イメージ 19
東大阪市玉串
大鳥(先代)同様のタイプですが、わずかに底面が面取りされてます。

イメージ 21
小垣内区先代(熊取町煉瓦館保存)
桁鼻そのものが無く、すっきりとした印象。

いかがでしたか~?
結構いろいろあるので見ていて楽しい部分です。
 
年代、工務店などにより千差万別。バラエティに富んでますね。
あの地車は、どのタイプかな?…そんな思いで見物に挑むと、次なるお披露目曳行も楽しみが倍増しますね。。。

ではまた。